オールブランでやせられるか

食物繊維の不足している現状

 

1950年代の戦争が終わってから間もない頃は、日本人が1日に摂る食物繊維の量は25g前後であり、これは世界的に見ても繊維摂取量の多い国でした。ところがその後、穀物や野菜などを中心としていた食生活から、欧米並みの高脂肪な食品を中心とした食生活へと急激に変化していきました。

 

また、近頃ではダイエットを目的として、主食である穀物を減らしたり、抜いたりする食生活もよく見聞きするようになりました。このような穀物の摂取量の不足や食事量の減少は、食物繊維の摂取量が充分でない状態になることにつながります。

 

最近の調査結果では、日本人の食物繊維摂取量は急激に減っており、男女別の平均を見てみると、男性は12.9g、女性は11.9gと少なくなってきています。厚生労働省の出している日本人の食事摂取基準の目安量と比較してみると、日本の現状は、慢性的に食物繊維不足が続いている状態と云えるものです。

 

このように食物繊維の摂取量が減っていく中で、便秘の症状がある女性は50%弱おり、男性でも20.9%存在しています。もっと深刻だと思われるのが、大腸ガンに罹っている日本人の数が多くなっていることです。食物繊維が大腸ガンの予防に作用するかどうかはまだ明らかではありませんが、食物繊維を多く摂取することで、腸内の環境が整備され、食べたものを効率よく吸収し排泄することは確かなことです。このことは、健康的な生活を過ごすためにとても大切なことなのです。